ケニス・ゴー
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クリス・ローラー
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ポーフエフエの咲く道

強さと優雅さの象徴、ハワイ固有の海辺に咲くヒルガオ
A print image of a branch with deep green leaves and four pink flowers.

ハワイの海辺に咲くポーフエフエには、文化的に多様な用途や植物にまつわる伝説がある。

ハワイの島々でビーチまで続く道を歩くと、砂浜と地面の境目に蔓植物が生えている。地面を這うように海に背を向けて咲いているこの花は、多くの人が見過ごしてしまうであろう。ハワイ固有種のポーフエフエは、他の植物との見分けがつきにくく、実は様々な用途があることもあまり知られていない。ハワイでは美しさと実用性を兼ね備えた植物として、長きにわたって愛されてきた。

この植物は、葉っぱの形が相撲の行司の使う軍配に似ているところから日本語ではグンバイヒルガオと呼ばれる。日光を浴び、潮風で栄養補給し、砂浜にたくましく育つ。漏斗形の花は、真ん中から外側へ向かって紫色、ピンク、ラベンダー、白と徐々に色が薄くなり、5本の放射線状の筋がその鮮やかさをより際立てている。

険しい環境の中で、華奢な美しさを見せるポーフエフエだが、その蔓は海岸線を守る役目を果たす。その柔軟な蔓は長さ9mにも伸び、所々に太い主根を張る。砂浜に垣根のような境界線を作り、ビーチフロントに建つ住宅の海水による侵食を防いで自然の影響から守ってくれる。

ハワイでは、この植物は文化的な様々な用途に使われてきた。ポーフエフエの蔓を持って海へ向かう人を目にするのもそのせいだ。ハワイのサーファーたちは、波がないときにポーフエフエの蔓で海面を叩きながらチャント(祈り)を唱えると、いい波が来るという。魚を獲るときも大漁になるという言い伝えがあり、茎や蔓をロープや釣り具として使うこともある。

古代ハワイアンはポーフエフエを全て余すことなく薬草として使用していた。蔓や根や葉は潰して、カパの包帯で巻いて、骨折や捻挫、傷の塗り薬にしたり、使う量を誤ると毒になるので注意が必要だが、葉を噛むと痛み止めや下痢止めにもなる。

ハワイにはこの植物にまつわるモオレロ(言い伝え)がある。ポーフエフエとカウナオアという2人の恋人の物語だ。恋に落ちた二人は浜辺で時をともにしていたが、ある日激しい口論をしてしまう。ポーフエフエは、カヌーで沖へ漕ぎ出すとラナイ島へと逃げ、二人は以来何年も離れ離れになってしまった。それでもカウナオアは恋人がいつか戻ると信じ続け待った。ある夜、ポーフエフエはカウナオアの夢を見て目を覚まし、ハウの木の花びらを海に散らすと、花びらはカウナオアのいるカハナ湾まで流れていった。カウナオアは彼女のアウマクア(一家の守護神)に祈りを捧げ、先祖の助けを借りながら花びらの道を通って、ラナイの岸で待つポーフエフエへのもとへと無事に辿り着いた。ポーフエフエとカウナオアの植物が浜辺で互いに絡み合うように生育するのも、花輪のレイの材料としてともに編み込まれるのも、この二人の恋人の再会に由来していると言われている。

A close up image of a purple flower growing on a vine on the beach.

The graceful pōhuehue flower is the emblem for the new Halepuna Waikiki by Halekulani opening October 25, 2019.

エ メレ カヘア ナル
ク マイ!ク マイ!カ ナル ヌイ マイ カヒキ マイ
アロ ポイプ!ク マイ カ ポーフエフエ
フー! カイ コオ ロア

波を起こす歌
波よ、カヒキから偉大な波を起こしてくれ
大きくうねる波! ポーフエフエとともに
勢いよく立ち上がれ、どこまでも続く波を送ってくれ

ケニス・ゴー
写真
クリス・ローラー

ポーフエフエの咲く道

強さと優雅さの象徴、ハワイ固有の海辺に咲くヒルガオ
A print image of a branch with deep green leaves and four pink flowers.
Pōhuehue is a native coastal plant with various traditional uses and legends associated with it.

ハワイのビーチで海へと続く道を歩いていて、砂浜と地面の境目に生えている蔓植物を目にしたことがあるだろうか?地面を這うように海に背を向けて花を咲かせるハワイ固有種のポーフエフエは、他の植物との見分けがつきにくいため見過ごしがちで、実は多くの用途があることもあまり知られていない。だがハワイでは、美しさと実用性を兼ね備えた植物として、長きにわたって愛されてきた。

この植物は、葉の形が相撲の行司の使う軍配に似ているところから日本語ではグンバイヒルガオと呼ばれる。日光を浴び、潮風で栄養補給し、砂浜にたくましく育つ。漏斗形をした花は、真ん中から外側へ向かって紫色、ピンク、ラベンダー、白と徐々に色が薄くなり、5本の放射線状の筋がその鮮やかさをより際立てている。

険しい環境の中で、華奢な美しさを見せるポーフエフエだが、その蔓は海岸線を守る役目も果たす。その柔軟な蔓は長さ9mにも伸び、所々に太い主根を張る。砂浜に垣根のような境界線を作り、ビーチフロントに建つ住宅の海水による侵食を防ぎ、自然の影響から守ってくれる。

A close up image of a purple flower growing on a vine on the beach.

ハワイでは昔から、この植物は様々な文化的な用途で使われてきた。ポ ーフエフエの蔓を持って海へ向かう人がいるのもそのためだ。ハワイのサーファーたちは、波がないときにポーフエフエの蔓で海面を叩きながらチャント(祈り)を唱える。すると、いい波が来るという。魚を獲るときも大漁になるという言い伝えがあり、茎や蔓をロープや釣り具として使うこともある。

古代ハワイアンはポーフエフエの全てを余すことなく薬草として使用していた。蔓や根や葉は潰して、カパの包帯で巻き、骨折や捻挫、傷の塗り薬にしたり、適量を葉を噛むと痛み止めや下痢止めにもなる。 だが使う量を誤ると毒になるので注意が必要だ。

ハワイにはこの植物にまつわるモオレロ(言い伝え)がある。ポーフエフエとカウナオアという2人の恋人の物語だ。恋に落ちた二人は浜辺で時をともにしていたが、ある日激しい口論をしてしまう。ポーフエフエは、カヌーで沖へ漕ぎ出すとラナイ島へと逃げ、二人は以来何年も離れ離れに。それでも恋人がいつか戻ると信じ、 カウナオアは待ち続けた。ある夜のこと、ポーフエフエはカウナオアの夢を見て目を覚ますと、ハウの木の花びらを海に散らし、その花びらは波間を漂いながら、カウナオアのいるカハナ湾まで流れ着いた。カウナオアは彼女のアウマクア(一家の守護神)に祈りを捧げ、先祖の助けを借りて、花びらの道を通って海を渡り、ラナイの岸で待つポーフエフエへのもとへと無事に辿り着いたという伝説がある。ポーフエフエとカウナオアの植物が浜辺で互いに絡み合うように生育するのも、花輪のレイの材料としてともに編み込まれるのも、この二人の恋人の再会に由来していると言われている。

エ メレ カヘア ナル
ク マイ!ク マイ!カ ナル ヌイ マイ カヒキ マイ
アロ ポイプ!ク マイ カ ポーフエフエ
フー! カイ コオ ロア

波を起こす歌
波よ、カヒキから偉大な波を起こしてくれ
大きくうねる波! ポーフエフエとともに
勢いよく立ち上がれ、どこまでも続く波を送ってくれ

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